クーデンホーフ光子の生涯をミュージカル化した作品が、6月11日から、青山劇場で上演されます。主役の光子役は元宝塚女優の安蘭けいさんです。
クーデンホーフ光子は明治時代にオーストリア・ハンガリー帝国の伯爵と結婚し、伯爵夫人となった女性で、伝記や回想記などが数多く出版され、テレビのドキュメンタリー番組でも取り上げられています。
結婚して10年も経たないうちに夫と死に別れ、伯爵家の財産を相続し、7人の子供たちを育て上げ、結局一度も日本に里帰りすることがなかった女性です。
明治生まれで、かつ商人の娘である光子は、息子たちを可愛がり、娘たちには「女には学問は必要ない」と上級学校への進学を反対しました。
娘たちは「無学で旧体然とした母親」に当然反抗します。しかも、溺愛した息子たちも、成人すると光子の意に反した結婚をしたため、光子から勘当同然の扱いをうけます。
異国の地で苦労して育て上げた子どもたちに(1人を除いて)ことごとく反抗された光子の心境はいかがなものだったのでしょうか。
明治の日本女性で、ヨーロッパの貴族と結婚した光子という人は、慎ましく可愛らしい日本女性というイメージと、ヒステリックな母親のイメージが混ざって、本当はどんな人だったのかよくわかりません。
ただ、光子の実家が商売を営み、格式ある家柄の出でなかったため、当地(ウィーン)に駐在する日本人たちからは低くみられていたようです。
滅びゆく運命のオーストリア帝国の伯爵夫人となった光子の生涯は、華やかでありながら、どこか寂しげな面があり、それが人々の心を引き付けるのでしょう。 (f)
